シューゲイズとローファイなリズムマシンの組み合わせは最高。古事記にもそう書かれている。
8.7
ミュージシャンの全然情報がないけど、一応調べたところsueter7はアルゼンチン・ブエノスアイレス出身のミュージシャン Esteban Herrera によるソロプロジェクトということらしい。
もともと Mild Sorrow Integrated という名義で電子音楽を中心ジャンルとした作品を発表していた模様。
2024年後半〜2025年初頭にかけて現在の sueter7 に名義を変更して、活動の幅をさらにインディーロックやシューゲイズ側へと広げたということ。
そしてsueter7の名義で2026年5月27日に発表された1stアルバムが本作「Todo Salió Bien en la Sencilla Villa Quién」というわけ。
本作はローファイ的なシューゲイズサウンドとスカスカの打ち込みのなリズムマシン、エフェクトがかかった物憂げなボーカルが中心のインディートロニカ作品になっている。
一聴してスウェーデンの至宝、Radio Deptの1stアルバムLesser Matters (2003年)を思い出した。

この作品は本当に好きな作品。
ノイズと打ち込みが奇跡的なバランスで融合した傑作。
インディートロニカというジャンル自体が心地よく聴きやすいものであるが、本作は平均的なインディートロニカ作品を遥かに超える位置にあるように思う。
大半の曲が5分を超えているが、どの曲も非常に美しく、長いと感じることもなく体に馴染んでいく。
心地よいBGMのように聞くこともできるし、集中して聞いても飽きることがない作品で、美しい瞬間に満ちている。
作品全体を通して心地よく、楽曲は似たようなテクスチャーを持っているが、どれも個性的で金太郎飴的なものを感じることがない。
革新性という視点では特に目立った部分はないが、このインディートロニカという現代の人気ジャンルの中でも出色の出来の作品だと思う。
スペイン語で歌われているということもあって大ヒットするというような未来はないかもしれないが、本作はもっと広く聴かれて評価されるべき作品だと思う。
どの曲も良いが、ベストトラックは1曲目の「Escritorio」次点が「Mapache」
今の所フィジカル化の予定はなさそうだけど、レコードが出たら確実に買うのでお願いします。
鼓膜が震えた音楽