一年の計は年間ベストアルバム発表にあり…とはよく言ったもので、音楽オタクである我々は既に2026年に備えているわけですが、皆さまどのような一年を過ごしたでしょうか。
僕はと言えばYoutubeが結構伸びて遂に登録が1万人に達したり、おかげ様で収益で色々とお買い物ができるようになりました。ありがたや~。

毎年Youtubeで年ベスを発表しているわけですが、今後はウェブサイトでも投稿をしてみようと気合を入れまくってドメインを取得してみました。
2026年はYoutubeだけでなく、SNSとかウェブサイトとかリアルワールドでも活動の幅を広げていこうと思っているのでよろしくお願いします。
と関係ない話はここまでにしておいて、本題の2025年のベストアルバムをランキング形式で10位から紹介していきたいと思います。
ついでに10枚のアルバムからそれぞれベストトラックを1曲ずつピックアップしてSpotifyのプレイリストを作ってみたので興味がある人はぜひ聞いてみてください。
目次
- 10位:Todos Mis Amigos Están Tristes「Carne」
- 9位:Billy Woods「Golliwog」
- 8位:Little Simz「Lotus」
- 7位:Ninajirachi「I Love My Computer」
- 6位:Geese「Getting Killed」
- 5位:McKinley Dixon「Magic Alive」
- 4位:Racing Mount Pleasant「Racing Mount Pleasant」
- 3位:Candelabro「Deseo, Carne y Voluntad」
- 2位:Rosalía「Lux」
- 1位:Lausse The Cat「The Mocking Stars」
- 2025年の総括
10位:Todos Mis Amigos Están Tristes「Carne」

10位はチリのシューゲイズバンドのTodos Mis Amigos Están Tristesのデビュー作「Carne」です。
チリがどこにあるのか読者の方の97%は把握していないかとは思いますが、俗にいう南米の太平洋に沿ったゴボウみないなひょろガリスタイルの国です。

緑の部分がチリ
チリの公用語は皆さんご存じの通りスペイン語で、本作は非英語圏の作品であることからリスナーがあまり獲得できず、不遇な扱いを受けている感があります。
このバンドはシューゲイズ的なノイズギターロックをやっているわけですが、My Bloody ValentineやSmashing Pumpkins、Dinosaur Jr.等の過去のミュージシャンの影響を受けまくっていて、サウンドはレジェンドバンドの完全な模倣といってもいい具合になっています。

かなりストレートなインディーギターロックという感じで、アルバム全体を通して楽曲の粒が揃っていて、ノイズギターの中に美しいメロディーが光る作品になっています。

写真の構図もなんか90sオルタナっぽい
実際、本作は90年代のオルタナ名盤の中にこっそり混ぜても違和感がないほど、当時のサウンドを完全に咀嚼して自分たちのものにできていると思います。
一方で、この2020年代において、このアルバムには音楽的な部分での新規性というものはほぼ無いと感じました。
チリという非英語圏から本格的なシューゲイズフォロアーのバンドが出てきたとこと、というのがちょっと珍しいくらいですね。
ただ、作品の質はかなり高いと思います。
他の人の年ベスではあまり見かけなかったけど、普通にいい作品なので視聴をオススメしておきます。
特段の音楽的な新しさは無いが良質なシューゲイズアルバム
オススメトラックは2曲目の”Llévame donde sea”
9位:Billy Woods「Golliwog」

9位はBilly Woodsの「Golliwog」です
Billy Woodsはアメリカのミュージシャンで、ジャンルはアンダーグラウンドヒップホップとかそんな感じです。

Youtubeでロックンロール歴史学講師を名乗りながらヒップホップを紹介するのは心底申しわけないと思っています…ホントは全然思ってないけど。
Billy Woodsは年1枚以上のペースでアルバムを発表しているわけですが、レベルの高い合格点を越えるアルバムをオールウェイズ出してくれる大御所ミュージシャンです。
2025年のBilly Woodsはこの「Golliwog」と、EuclidとのユニットArmand Hammer名義で「Mercy」の2枚を発表していますが「Mercy」もかなりいい作品です。

Armand Hammer「Mercy」
では本作の話に戻って、アルバムタイトルになっている「Golliwog」とは、ジャケットにも使用されているイギリス人が書いた19世紀の絵本に登場する人形の名前です。

ゴリウォグ人形のバーゲンセール
黒い肌に真っ赤な唇、もじゃもじゃ頭という当時の黒人のイメージのステレオタイプの特徴を持つこのキャラクターは大人気になったわけですが、20世紀に入るとポリコレ警察によって『人種差別の象徴』として扱われて世界から抹消されてしまいました。
チビクロサンボと同じような感じですね。
アルバムではこのゴリウォグ人形をモチーフとして、いつにも増して暗く陰鬱で今にも崩れそうなトラックに載せて日常に潜む差別を描いていきます。

実験的でポピュラー要素が欠けた作品なので、ある程度Billy Woods耐性が無いと受け入れられないと思うけどメチャクチャいい作品。
公式サイトとBandcamp限定で本作のリミックスアルバム「Gowillog」が発表されたけど好きすぎて円盤買いました(送料4000円は高すぎィ)

Billy Woods「Gowillog」
このリミックスアルバムはストリーミングサービスに乗ってないのでBandcampで聞くしかない状態です。
「Golliwog」がイイと思った人はこのリミックスアルバムの「Gowillog」も聴いてみるといいと思います。
他のミュージシャンでは味わえない質の高いアンダーグラウンドヒップホップ
オススメトラックは17曲目の”Lead Paint Test”
8位:Little Simz「Lotus」

8位はUKの女性ヒップホップミュージシャン、Little Simzの「Lotus」です。
Little Simzは恐らく、現役ミュージシャンでは世界で最も評価されている女性ヒップホップミュージシャンです。
2021年のアルバム「Sometimes I Might Be Introvert」で全世界からゴリゴリに絶賛されて、そのままピークを維持しつつ作品の発表を続けています。

Little Simz「Sometimes I Might Be Introvert」
前々作の「Sometimes I Might Be Introvert」と前作の「No Thank You」はオーケストラサウンドを多用した壮大でシネマティックな構成の作品だったわけですが、本作では長年タッグを組んでいたプロデューサーのInfloと別れての作品制作を行っています。

別れの顛末は、なんかInfloに金を数億円くらい借りパクされてバトルになったとかそんな感じらしいです。
そんな感じで制作された本作は今までの豪華なオーケストラサウンドを排していて、完璧なコンディションのボディービルダーくらいドライな質感を持ったサウンドの作品になっています。
そして、その派手さを削ぎ落としたビートの隙間にLittle Simzのボーカルが生々しく響く、エモーショナルな作品に仕上がっています。
前作の「No Thank You」も良かったですが、本作「Lotus」は前作よりもかなり響きました、
前々作の「Sometimes I Might Be Introvert」なんとかはちょっと凄すぎる傑作なので、本作はそこには届いていない感はありますが、このサウンドの転換は好感の持てるものであったし、次作にも期待したいと思います。
ジャジーでエモーショナルな現役最高の女性ヒップホップミュージシャンの良作
オススメトラックは1曲目の”Thief”
7位:Ninajirachi「I Love My Computer」

第7位はオーストラリアのミュージシャン、Ninajirachiのデビューアルバム「I Love My Computer」です。この作品も多くの人の年ベスで見かけました。
Ninajirachiはデジタルネイティブ世代の女性ミュージシャンで、音楽ジャンルはエレクトリックハウスとかそんな感じです。
まず、アルバムのジャケットがイイ。あとカワイイ。

kawaii
『指とマウスとスクリーンがあれば何でもできる』と宣言する通りMacBook一台で楽曲を作り上げるスタイルで、PCオタクの女の子がDIY精神で作り上げた、明るく陽気でダンサブルなビートが映える作品になっています。

最近は電子音楽も暗くて小難しい作品が多い中で、本作はストレートで高揚感のある突き抜けたサウンドと、タイトルにもあるコンピューターへの愛着と信頼をピュアな精神で表現しています。そしてかわいい。
オーストラリア版のグラミー賞的なヤツで8部門にノミネートされたとかで、今もうオーストラリアではNinajirachiの大ブームがきているらしい。
日本のアニメ、ゲーム文化にメチャクチャ好きみたいで2026年は来日予定とのこと。公式サイトで限定版の円盤を注文したからなんとかしてサインをいただきたいところ。
デジタルネイティブ世代の弾けるエレクトリックダンスミュージック
オススメトラックは1曲目の”London Song”
6位:Geese「Getting Killed」

第6位はアメリカのロックバンド、Geeseの4thアルバム「Getting Killed」です。
もう既に多くの人が年間ベストランキングで取り上げているし、何なら本作を1位に据えている人が最も多い1枚かと思うので僕が語る必要も無いかと思いますが、一応紹介しておきます。
ジャンルはアートロック、インディーロックで60年代後半~70年代前半の究極完全体時代のThe Rolling Stonesのルーズでブルース寄りの楽曲をアートロック的なモダンな感覚で再解釈をしたような作品になっています。

おもむろに発表された本作は評論家スジからえげつない程の絶賛をされて、「新しいロックのムーブメントを作るバンド」とか言われていましたが、僕は初見では全然刺さりませんでした。
ボーカルの癖のある歌い方が本当にハマらなかった。同じことを感じている人のコメントを結構見かけたので、まあ結構好き嫌いが生まれるボーカルスタイルだと思う。
で、初見ではハマらなかったんですが、Geeseライブの音源を聞いたらメッチャカッコよくてボーカルの癖もそんなに気にならず、再度アルバムを聴き直してみて慣れもあってか割とハマった感じです。

かの昔にNeil Youngの歌い方に全くハマらず「After the Gold Rush」をポイ捨てしたけど、今はフェイバリットアルバムの1枚になったことを思い出しました。

Neil Young「After the Gold Rush」
Geeseは現状ではボーカルの癖が気にならなくなったくらいで、歌い方が好きとかそこまでにはなっていないという具合です。
現段階では本作は6位評価だけど、噛めば噛むほど味がする酢コンブスタイルの作品なので、将来的にはもっと高く評価しているかもしれない。
あと、Z世代のThe Strokesとか言われているのを見かけたけど、Geeseは音楽好き以外にはウケなさそうなのでなんか違うように思う。
この路線についていく後続のバンドはあんまいなさそうだし、孤高の存在って扱いになって新しいロックのゲームチェンジャーにはならなそうな気がしています。諸説ありますが。
新しいアートロックの形を提示して音楽オタク達に絶賛された話題作
オススメトラックは2曲目の”Cobra”
5位:McKinley Dixon「Magic Alive」

5位はUSのヒップホップミュージシャンMcKinley Dixonの「Magic Alive」です。
ヒップホップのジャンルは200種類有るとか無いとか言われていますが、McKinley Dixonはジャズラップに分類されるミュージシャンです。
ジャズ要素を持ったヒップホップは古くは90年代前半のA Tribe Called Questの「Low End Theory」から始まって現代まで脈々と受け継がれている人気ジャンルです。

A Tribe Called Quest「Low End Theory」
本作「Magic Alive」にはコンセプトがあって「死んでしまった友達を生き返らせるために、3人の少年が魔法の儀式をするために冒険に出る」というストーリーの元で作品が構成されています。
McKinley Dixonのイカつい外見からは想像できないようなファンタジーなモチーフでアルバム制作がされている感じですね。

イカつすぎるMcKinley Dixon

コンセプトは正直どうでもいいんですが、本作は何よりも生楽器の演奏をふんだんに取り入れたトラックがメチャクチャ素晴らしいです。
トラックの上に不可分なラップが乗っていて、滑らかに作品が進んでいくのを聞いているのが心地がいい作品になっています。
作品全体は35分で現代の作品では比較的短時間でコンパクトにまとまっています。
本当に無駄な部分が一切ないと感じられるほどで、ヒカキンが7年前にアルミホイルを丸めて作った謎の玉の5億倍磨き上げられています。

アルミホイルの玉を2日間ハンマーで叩いて磨き上げたらしい(すごい)
ヒカキンのアルミホイル動画は2000万再生されているわけだけど「Magic Alive」はSpotifyではまだ100万回も再生されていないからもっと聴かれるべきだと思います。
全部イケてる本作ですが、中でも5曲目の”Run, Run, Run Pt.2“がカッコよすぎて震える出来になっています。
“Run, Run, Run Pt.2“はおそらく今年発表された楽曲の中で一番聴いた楽曲だと思う。本当に良すぎるからヒップホップ興味ない人でも騙されたと思って聴いみてほしい。
コンパクトにまとまった無駄のないジャズヒップホップの傑作
オススメトラックは5曲目の”Run, Run, Run Pt.2″(今年1番いい曲)
4位:Racing Mount Pleasant「Racing Mount Pleasant」

4位はアメリカのロックバンドRacing Mount Pleasantのセルフタイトルの2ndアルバムです。
ミシガン大学出身のメンバーで組まれたサックス、トランペットなどを含む7人編成の大所帯バンドによる作品です。ジャンルはアートロック、チェンバーポップとかそんな感じです。

サウンドや楽器構成からUKのロックバンドBlack Country, New Road(以下BC,NR)と頻繁に比較されます。
BC,NRは2022年に20年代を語る時に確実に語られる超傑作2ndアルバムの「Ants From Up There」を発表しています。

Black Country, New Road「Ants From Up There」
そしてBC,NRは今年、2025年には3rdアルバムの「Forever Howlong」を発表しています。
ただこのBC,NRの3rdがあんまし新作が良くなった上に、本作である「Racing Mount Pleasant」の2ndがかなりいい出来だったから、本来なら「Racing Mount Pleasant」をBC,NRが出すべきだったらアルバム第1号と感じました(第2号は後述)

Black Country, New Road「Forever Howlong」

ここまで2つのバンドが似ているという話をしてきたわけですが、サウンドは似ているものの音楽性は若干異なっています。
本作Racing Mount PleasantはBC,NRの2ndよりも楽曲構成はシンプル、メロディーを重視した作風で、王道を征く万人受けする系の作品になっています。
一方でBC,NRは演奏力を前面に出した意識が高いアート寄りでテクニカルな作品を発表しています。
バーガーチェーンに例えると、Racing Mount Pleasantはマクドナルドで、BC,NRはモスバーガーって感じかと思います。
ちなみに、僕はバーガー喰うならケンタッキーが一番好きです。
BC,NR風味のサウンドで万人受けしやすいポップ寄りの楽曲展開の作品
オススメトラックは8曲目の”Racing Mount Pleasant”
3位:Candelabro「Deseo, Carne y Voluntad」

3位はチリのロックバンドCandelabroのデビューアルバム「Deseo, Carne y Voluntad」です。
別にチリの音楽を推しているとかそんなことは一切ないですが、今年は何故かチリのバンドが2つもトップ10にランクインすることになりました。
チリの特産品がロックみたいな感じなランキングになってしまいましたが、本当のチリの特産品はサーモンらしいです。なんだかんだ寿司ネタではサーモンが一番好きです。

なお、本作が先ほど言っていた本来なら本作をBC,NRが出すべきだったらアルバム第2号です。
Candelabroはサックスを含む7人組の大所帯バンドでジャンルはアートロック、ポストロックといった感じ。

南米の陽気なノリのためかBC,NRよりエネルギッシュで祝祭的なムードが強く、その爆発力からゴチャっとしたカオスな感じのアンサンブルが繰り広げられる場面もあります。
この作品はアルバム全体で収録時間が70分オーバーと長めで、正直「そこは削ったほうが良かったのでは?」と感じる部分もなくはありませんでした。
ただ、その整理されていない過剰さこそが彼らの魅力であり、1stアルバム特有の爆発的なエネルギーの発露につながってるのだと思います。

Racing Mount Pleasantは減点箇所の無いまとまった作品で、本作と比較してどちらを上位にするかを迷いましたが、過剰なまでの爆発力を高く評価して、減点箇所も飲み込んで本作を上位にしました。
今の所、英語圏外ということもあって音楽オタクにしか届いていないみたいだけど、オタクたちの評価はかなり高い感じです。
ちなみに、Candelabroをバーガーチェーンに例えるならドムドムバーガーだと思います。たまにやる気が空回りして意味わかんない商品出したりしているので。

ドムドムバーガー商品開発部の狂気の結晶
ということでチリの新人バンドがTOP3に食い込むことになりました。次作にもかなり期待しています。
BC,NR風味のサウンドで爆発力のあるカオスな作品
オススメトラックは2曲目の”Domingo de ramos”
2位:Rosalía「Lux」

2位はスペインの女性シンガーソングライターRosalíaの「Lux」です。
この作品も多くの音楽紙で年間ベスト1位に取り上げられているので僕が詳しく紹介する必要もないかと思うので、メインは僕の感想にしておきます。
本作は発表と同時にツイッターの音楽好き界隈が騒いでいたので期待しながら聴いてみましたが、一聴して凄まじい作品だと感じました。

クラシックやオペラをRosalíaの感性で消化し尽くした、前衛的でありながらポップさを持って響く楽曲は今までに無い新しいサウンドに感じられました。
特に1~3曲目の流れは完璧だと思います。
何人かのレビューでは「序盤の勢いが中盤で少しダレる」と言っているのを見かけましたが、まあそれについては共感しないでもないです。
ただこれは、序盤が突き抜ける程に良すぎるからこそ感じる落差であって、中間部も別に悪くはないとは思っています。
それよりも、個人的には本作は13の言語を駆使して歌われているという部分があんまり良くないと感じました。
大半はスペイン語で歌われるわけですが、途中で片言の日本語で歌う部分が入ってきてしまう部分が受け付けず、本当にこの多言語での表現は楽曲のクオリティを高める意味で必要だったのかと疑問に感じざるを得ませんでした。

アート的な高い志は分かりますが、ここまでハイクオリティーな楽曲が用意できたのであれば、そんな飛び道具的なものは必要ないし、普通にすべてスペイン語で歌えばよかったのに…と思ってしまいます。
花山薫は格闘技を学ばない理論みたいな心意気でいて欲しかったですね。

格闘技は戦う力が足りない奴がそれを補うことを目的にしている
とはいえ、その受け付けない部分を抱えていたとしても、本作はその他の部分がちょっと感動するくらい良かったので2位にランクインさせました。
もしまだ聴いてない人がいれば3曲目まででも良いので聴いてみることを推奨しておきます。
多くの音楽紙で年間ベスト作に選ばれたアートロックの傑作
オススメトラックは2曲目の”Reliquia”
1位:Lausse The Cat「The Mocking Stars」

1位はUKのジャズヒップホップミュージシャン、Lausse The Catの「The Mocking Stars」です。
Lausse The Catは謎に包まれたミュージシャンで本名も顔も何もかもが不明なミュージシャンです。

Lausse The Catは2018年にデビューEPを発表して評論家筋に高く評価された後、SNSの更新も止まり、完全に消息不明となっていました。

Lausse The Catのデビュー作のEP「The Girl, the Cat and the Tree」
音楽をもうやめてしまったと噂され、7年が経過して皆が完全にLausse The Catの事を忘れていた中…突如発表された1stアルバムが本作「The Mocking Stars」です。
SNSの更新が止まったといいましたが、そもそも現在でもInstagramの投稿が5回されているだけという具合で、本当に情報が無いミュージシャンになっています。

Lausse The CatのInstagram(更新頻度激低)
Lausse The Catは猫のペルソナをもって、猫視点で人間の孤独や哀愁を見つめる楽曲を書いていくという、正体不明な上に謎の試みをしているんですが、どのトラックも滑らかで心地よく、都市の夜に静かに寄り添うような美しさを持った作品になっています。

ラップを全面に押し出すというよりも、トラックにボーカルの音を溶け込ませているような感じで、ヒップホップを好まない層の人にもウケる作風になっていると思います。
そろそろ年間ベストランキングを作ろうと考え始めた当初は3位くらいかなと思っていましたが、本作のノスタルジックなサウンドが聴き直すたびに好きになって、今では今年1番の作品だと感じています。
ラストトラックの”Lotus Blossom”は8分もあるけどサウンド構成ともに素晴らしく、毎日毎日聴いています。
ちなみに、つい先日、10日間限定でLPの予約を受け付けるという話を見かけて送料4000円かかるけど速攻でノータイム決済しました。
知名度が足りていないからか他の人が推しているのはほとんど見かけなかったけど、本当に素晴らしい作品なのでぜひ聞いて見て欲しい。
次作は…また7年後とかになるんですかね。
正体不明のミュージシャンが8年ぶりに活動再開をした1stアルバム
オススメトラックは12曲目の”Lotus Blossom”
2025年の総括
2025年の新譜総評はボジョレーヌーボー風に言うのであれば「歴史を塗り替えるような衝撃こそないが、ここ10年で最も品質が安定し、粒揃いな奇跡のヴィンテージ」といった感じになるかとを思いました。
前年の2024年はMagdalena Bayの「Imaginal Disk」、Geordie Greepの「The New Sound」、Cindy Leeの「Diamond Jubilee」の3枚を突き抜けまくった傑作として評価しましたが、今年はこの3枚に並ぶ作品はなかったと思っています。

2024年の年間ベスト1位アルバムMagdalena Bay「Imaginal Disk」
一方で、2025年良作と感じる作品は数多く、アベレージ的には高い1年になったと感じています。

10枚を選んでみて、まあまあ豊作と言えるくらいの1年になったんじゃないかなぁと思います。今まで注目されてなかったミュージシャンが多数ランクインしたのも良かったのではないかと思います。
一方で、期待をしまくっていたBC,NRとBig Thiefの新作がその高まりすぎたハードルを越えられず、スベり気味となってしまったことも印象に残っています(両方とも悪い作品ではないんだけどね…)

Big Thief「Double Infinity」
BC,NRとBig Thiefの2作はバンドメンバーの脱退で方向転換があった1枚なので、次作でどんな感じで本作での挑戦を生かしてくるのかまだ期待をしているところではあります。
ということで色々とあった1年でしたが、来年もいい作品にたくさん出会える1年になればなと思います。

今後は色々と本ウェブサイトでも書いてきたいなぁと思っているので良ければ拡散やブックマークしてもらえると嬉しいです。
鼓膜が震えた音楽